8月23日に台湾の国家図書館は「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」が正式にサービスインし、電子書籍の閲覧サービスも開始された。このサービス、日本からでも利用ができるようなので試してみた。
國家圖書館數位出版品平台系統(E-Publication Platform System)
http://ebook.ncl.edu.tw/webpac/index.jsp
國家圖書館
http://www.ncl.edu.tw/
■ログイン
以下が国家図書館の電子書籍サービスのプラットフォームの画面。赤枠のところの「帳號」(ID)と「密碼」(パスワード)を入力してログインする。アカウントは国家図書館のWebサービス共通アカントを利用することができる。赤枠内の「加入會員」から誘導される登録画面からアカウントを取得できる。アカウントは日本からネット上で取得することが可能だ(少なくとも私は可能だった)。
ログイン後の画面が以下。「個人書房」(My Libraryメニュー。借りた本はこちらで読む)というメニューと「修改個人基本資料」(アカウント情報の修正)というメニューが表示されている(赤枠)。

■読む(借りる)
ネット上では読むためには「借りる」必要がある。ちなみにネット経由で利用できるのは出版者等の権利者からネット経由の提供の許諾を国家図書館が得ているものに限られる(ネット提供可の許諾を得られていないコンテンツは国家図書館の館内でのみ利用ができるようになっているらしい)。
「父母心子女情」というEPUB版の本を借りてみたいと思う。以下、その書誌画面。
赤枠のところをみると、「總可借閱數量」(同時閲覧貸出可能冊数)が1冊、「借閱中人數」(現在、貸出中の冊数)が0冊で「尚可借閱數量」(現在、貸出可能な冊数)が1冊とあるのでこの本は借りることができる(ちなみにこの貸出可能冊数は出版社が納本時に決めるのでタイトルごとに異なる)。借りるには青枠の「我要借閱」をクリックする。
クリックすると以下のように確認画面が出てくるので、問題なければ「OK」を押す。
そうすると、以下のように貸出手続き成功の画面が出てきて、
以下のような、「個人書房」(My Library)画面に自動的に遷移する。借りた本も一番下に表示されている(赤枠部分)。貸出期間は10日間。
■ブラウザ上でオンラインで読む
ネットに接続された環境下にブラウザ上で読むならば、以下の「啟動線上閱覽」(青枠)をクリックする。ブラウザ上でリーダーが起動し、読むことができる。
これがブラウザ上でリーダーを開いた画面。EPUB版を表示させているのでリフローである。
上はEPUB版の電子書籍を表示させたのでヘッダーがピンク色でGUIもわりとそっけない感じであるが、PDFだとページめくりのジェスチャーがつくなど、少し挙動が変わってくる。今度は「牡丹亭還魂記」という国家図書館が電子化した画像データをPDFとしてまとめた書籍を表示させてみたい。ちなみにこのタイトルは国家図書館が電子化した漢籍(これ→古籍影像檢索系統)なので同時貸出冊数も無制限で貸出期限も無制限だ。ローカルに落とせば気が済むまで手元に置いておくことができる。

以下がその「牡丹亭還魂記」をブラウザ上で開いた画面である。ヘッダーが黒色になり、ページめくりのジェスチャーもつく。
・返却
貸出期限をすぎれば、自動的に「返却」されることになっているようだ(延長も可)。貸出期限前に返却したい場合は「提前歸還」(事前返却)ボタン(赤枠)を押下する。1ユーザーが同時に借りることができる冊数は3冊までと決まっているようなので必要のない本はどんどん返した方がよい。
■ダウンロードしてローカルで読む
国家図書館はローカル環境で読むためにNCL Readerというアプリケーションを提供している。このアプリケーションを利用する環境にインストールすることで借りた本をローカル環境にダウンロードしてPCやタブレットPCでネットに接続していない環境下で読むこともできるようになる。現在、Windows用のPCアプリとiPad用のアプリが提供されている。今後、スマートフォン対応も進めていくらしい。
手元のWindows環境ではNCLReaderのインストールをすることができなかったのでiPad用のアプリを使用して紹介する。

NCLReader for iPad on the iTunes App Store
NCL Reader for iPadのインストール方法は他のiOSアプリと同じなのでここでは説明を省略。このアプリで読むためにはまずやらなければならないことがある。借りた段階では以下のようにオンライン上で読む設定になっている(赤枠部分の「線上」(オンライン))。
これをローカル環境で読むためには以下のように設定を「線上」(オンライン)から「離線」(オフライン)に変更する必要がある(赤枠部分)。
これでNCL Readerを使用してローカル環境で読むことができるようになる。iPadにインストールしたNCL Readerをたちあげる。起動時にログインを求められるのでNCLのアカウントでログインすると、以下のようなどこかで見たことがある書架画面が表示される。
この画面の「Sync」(上の赤枠)ボタンをクリックすると上で以下のように「離線」(オフライン)に設定した本の表示が書架に表示される。
しかし、この段階では表紙のダウンロードが終了されただけ(以下の赤枠)なので、本文コンテンツも追加してダウンロードする必要がある。以下の「D…n」ボタン(青枠。「Download」と表示すべきところ、スペースが足らずこんな表示なっているの?)をおすとダウンロードが開始される。
ダウンロードが終了すると「Compleated」と表示される。「Read(EPUB)」(赤枠)を押下するとコンテンツを読むことができる(ちなみに返却手続きはその下の「Return」でできる)。
以下はダウンロードした本(EPUB)をNCLReader for iPadで表示させた画面。

リーダーとしての機能は、全文検索機能がないものの(これは大きいが・・・)、マーカー機能、注釈機能などそこそこの機能は備えているようだ。
PDFでも同様のことができるようだ。サムネイル表示が可能となるなど、もしかするとPDFファイルを読み込んだ時のほうが少し多機能かもしれない。
余談になるが、上で「牡丹亭還魂記」を紹介したように結構な数の国家図書館のデジタル化データがPDFとして提供されている。画像データとして電子化された資料をPC上で読むのは辛い。この手の資料を端から端まで読む場合は、プリントアウトして読むのが前提だろうと思っていた。しかし、国家図書館が電子化した古典籍をiPadで読めたというのは、これならそのまま読めるなということで結構、感動に近いものを覚えた。使い慣れたはずのPDFにこんな入れ物として利用価値があったのかと己の不勉強さを痛感させられた。
台湾全土で10年近く進められてきたデジタルアーカイブプロジェクトで電子化された各機関のデジタルアーカイブがこのような形で提供されたら便利だろうなあとその辺にほのかな期待を抱いている。
數位典藏與數位學習國家型科技計畫, Taiwan e-Learning and Digital Archives Program, TELDAP
http://teldap.tw/
数としてはごくごく一部であるが、デジタルアーカイブのEPUB版も作成されているようなのでこういったタイトルが納本という形で国家図書館に入ってくると面白い。
網上書上網-數位典藏與學習電子書庫
http://ebook.teldap.tw/
関連エントリ
・台湾の国家図書館がオンラインでの電子書籍のISBN申請と納本の受付を開始。また、利用者への電子書籍の閲覧サービスを開始。(2011年8月24日)
・台湾の国家図書館の電子出版物納本の要点(國家圖書館數位出版品送存要點)が公開(2011年8月16日,)
・台湾の国家図書館の電子出版プラットフォーム「數位出版品平台系統」が8月23日に正式にサービスを開始 (2011年7月31日)
・少し変わりましたか?台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」 (2011年6月10日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その0 資料編) (2011年1月8日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その1 概要)(2011年4月10日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その2 電子出版物に対するISBN付与) (2011年4月6日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その3 電子書籍の納本、収集について)(2011年4月11日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その4 電子書籍の組織化(目録作成)について)(2011年4月7日)
・台湾の国家図書館の「數位出版品平台系統 E-Publication Platform System」(その5 電子書籍の提供サービス) (2011年4月6日)















国家図書館の電子書籍サービスの件、とても勉強になりました。
一点教えて頂きたいのですが、「赤枠内の「加入會員」から誘導される登録画面からアカウントを取得できる。アカウントは日本からネット上で取得することが可能だ(少なくとも私は可能だった)。」という箇所をもう少し詳しく教えて頂けないでしょうか。
なぜかネット上でアカウントを取得できなかったので…。
お時間がおありの際によろしくお願いいたします。
すみません、取得できました。
大変失礼いたしました。
当ブログをお読みいただきありがとうございます。ブログ主です。
お尋ねのアカウントの取得方法についてですが、「加入會員」をクリックすると以下のページに飛ぶと思います。
https://www.ncl.edu.tw/sp.asp?xdurl=member/userRegisterLaw.asp&nosso=1
そこから
(1)サービス規約を読んでその内容を承諾する否かを回答
(2)会員情報の入力
(3)他に国家図書館のウェブサービスのアカウントをもっていれば、入力(一つのアカウントに他のサービスのアカウントを紐づける)
….
と必要事項を段階を踏んで(すいません、細かいところを忘れてしまいました・・)入力していくと、確認のために国家図書館より登録したメールアドレス宛にメールが送付されます。
そこに記載されているURLにアクセスして、送付されたメールに記載された仮パスワードとアカウントで使用したいパスワードを入力すると登録完了という流れだったかと思います。
中国語という言語の壁がなかなかハードルを高くしているかもしれません。しかし、やはり個人情報を登録するということもありますので、(1)のサービス規約を読んで理解した上で承諾していただく必要もあり、やはりそこは超えねばならない壁かと存じます。おそらくですが、しばらくすると英語版の登録画面を作られると思います(おそらくですが・・)ので、それをお待ちいただくという手もあります。
・・・・・
と書いていたら、登録成功されたようですね(笑)。
丁寧に説明いただいたのに、本当に申し訳ありませんでした。
中国語初心者というのに、トライしたい気持ちが勝り、少し無理をしてしまいました。
どうもありがとうございました。
すいません。その後、コメントをいただいていたことに気がつかず返信が遅くなってしまいました。
中国語を勉強されている方なんですね。言語の壁というのは全くもって余計な一言でした。大変失礼いたしました。
コメントありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。